西洋医学と東洋医学(中医学)のコラボレーションによる漢方専門クリニック|東京都千代田区神田小川町

千代田漢方内科クリニック|医療法人社団 千禮会
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春の花粉症について

春の花粉症について

千代田漢方内科クリニック昨年の夏が暑かったため、今年春のスギ花粉量 が多いと推測され、花粉症患者にとってはまさに悪魔の季節がやってきます。

<花粉症の症状>
症状は主に鼻と眼に現れ、アレルギー性鼻炎とアレルギー性結膜炎が同時に発病した状態が一番多いと見られます。 その他の症状も含めて、以下のようなタイプに分けられます。

<鼻症状>くしゃみ・水様性鼻汁・鼻閉 鼻孔周囲の痒み。鼻閉は、長時間続き、約40%の患者は口呼吸を必要とする。口呼吸により口腔咽喉の乾燥、咽頭炎の併発、睡眠障害、精神作業障害、いびき、頭痛などの二次的障害を起し、生活のQOLが影響されます。
<眼症状> 痒み・流涙・羞明・眼球・眼瞼結膜の充血。
<咽頭症状> 痒み・痛み。咽頭の発赤。 咳・喘息の症状。 顔面・外耳道の痒み。
<感冒様症状> 頭痛・寒気・熱感・全身倦怠。
<消化器症状> 胃部膨満感・腹痛・軟便。

春花粉症の東洋医学的な考え方は

水様の鼻水が大量にでるから、水毒症(水毒症は、むくみ、冷えなどの症状が中心の症のことをいいます)として捉えられることが多いです。
千代田漢方内科クリニック代表的の治療薬は小青竜湯が一般的に知られています。しかし、小青竜湯などの辛温薬ではかえて結膜炎、のどの炎症、口渇などの症状を悪化する症例が多いため、水毒症では説明つかないところが多いです。
春風とともにやってくる花粉は一種の外邪(外部から病気を引き起こす原因のことを外邪といい。風邪ウイルスは一種の外邪 )であり、症状からみれば花粉の性質は風邪、熱邪に属します。風邪は変化激しい、痒み、顔面 部を襲うなど特徴があります。
春の強い風にのって飛んできた花粉は、強くなったり弱くなったり、その時々により吹き方が違う。年次、季節、時間帯などその時々により、花粉症の程度に大きな違いがあるなどから「風邪」たる所謂であります。熱邪の性質は、熱炎症を起こします。体液を消耗し、乾きをもたらします。花粉症には鼻粘膜の炎症、眼の炎症、口の乾きなどの症状からみれば熱邪の性質に該当します。スギ・ヒノキ花粉は、前年の夏が暑ければ暑いほど飛散量 が多くなり、花粉症も重くなります。花粉の中に、前年の夏の暑さが濃縮し詰め込まれている如くであり、熱邪の性質を持っていると考えます。

<風邪による症状>
痒みを起す:鼻・眼・顔面・外耳道・咽喉など、花粉が付着した部位 が痒くな る。
時に、花粉が肺に侵入し、胸中の痒みと咳。喘鳴が出現することが多い。
女性では外陰部に痒みが出ることがあります。
<クシャミ>
風の吹き方によって、症状の強弱に大きな違いがあります。 熱邪による症状 充血・炎症を起す。眼球・眼瞼結膜・鼻粘膜・咽頭が発赤腫脹する。 鼻粘膜の充血・炎症によると考える。 鼻閉が長時間続くのは、熱邪が強いためと考える。
<鼻汁>
水様性鼻汁は、必ず寒証を意味しない。スギ・ヒノキ花粉症では、熱邪により鼻粘膜が充血し、鼻粘膜中の水分を焙りだして、水様性鼻汁がでると考える。 尚、黄色鼻汁を呈するものは、熱邪・炎症が強いことを示す。
< 咽頭痛 >
咽頭の充血・炎症による痛みが出現する。 スギ・ヒノキ花粉症は、前年の夏の暑さが反映される。スギ花粉の雄花は、前年の夏の気温が高いと多く作られ、気温が低いと少なくなります。 気温の高い日・時間帯に症状が強い。

結論

千代田漢方内科クリニック花粉症は水毒症ではなく、一種の温熱病(発熱、炎症などが中心としての病気を温熱病といいます)である
水毒症とは体内の水分代謝異常(ある種の水分の偏在)によって発生する。水が毒(病気の原因)になる状態です。
身体四肢のむくみ・四肢関節の腫れと痛み・胃腸病・下痢・嘔吐・めまい・動悸・メニエル氏病・精神異常・高血圧・腎臓病・痛風・気管支喘息・痰・鼻水・膀胱炎・前立腺異常・おりもの・冷え・身体の重だるさ・頭重・胃中水分停滞・小便が出にくいなどは,そのほとんどが水分代謝異常(ある種の水分の偏在)によって引き起こされる<水毒症状>です。基本的は体自身の機能低下から生じるものであり、年配者、ひえ症の方が多く見られます。
一方、花粉症は風とともにやってくるため、明らかに外感病(外邪による病気のことを外感病といい。風邪などは外感病の一種)の一つです。また、老人、冷え症、体力低下する人の花粉症が少ない。逆に若くて元気な人、陽気の人、食欲旺盛、汗かき、肉つきがよい人が花粉症多いようです。
野球選手も花粉症に悩まされることが知られています。

さらに、顔面 部は陽気が反応する場所であり、眼・鼻・口などから花粉が侵入して、陽気にあおられ、花粉の熱が増す。その結果 、眼・鼻・咽の充血・炎症が強く出る。
従って、花粉症は風熱外邪による一種の温熱と考えます。
小青竜湯などの辛温薬は、熱邪を助長する可能性があるため注意を要する。

どうやって治療するの?

代表的の処方としましては、
五虎湯、川キュウ茶調散、清上防風湯、桔梗石膏エキス、竜胆瀉肝湯、麦門冬湯などがあります。
これらは体質、症状、発病の時期などにより、使いわけることが必要です。

症例

女性、28歳(中肉中背)の場合

初診:2003年2月10日
現病歴:5年前からスギ花粉症を発病、今年2月になってから眼の痒み、鼻水、くしゃみ出現。
処方:五虎湯と川キュウ茶調散エキス。7日分。

再診:はじめのうちに服薬した後2・3時間楽だったが、次第に眼症状悪化し、眼科受診した。リザベン・フルメルトンを点眼しても、眼が真赤に腫れ、眼の周りが爛れている。
処方: アレジオン(20mg)7日追加。

三診:眼の症状改善なし。最近、鼻つまりが一日中に続く。特に夜間が強く、熟睡できない。時々鼻血が混じる。鼻とのどの奥が熱く、息も熱い、のどが乾く。
大便2日に1回。
処方:清上防風湯、竜胆瀉肝湯エキス、7日分。

四診:服薬したその夜から鼻つまりが軽減、熟睡できるようになった。
2日後から眼の痒み、眼の周りの爛れ軽減。鼻・咽・息の熱さ・口渇も気にならなくなった。

考察:清上防風湯の清上は、上(顔面 部)の熱を清す、防風は、熱邪を助長しない風邪を拒風薬で風邪を去るという意味です。 竜胆瀉肝湯は、肝火上炎(頭痛・耳鳴り・眼赤・結膜炎など) 肝胆湿熱(排尿痛、帯下、睾丸炎・中耳炎)を治す方剤である。花粉症では、風熱の邪が強い、肝の経絡の症状(眼症状・陰部症状)が際立つときに用いる。

(本文は斉藤輝夫先生の監修および資料提供によるものです。)