|
脳血管障害に対する鍼灸治療は現代医学的な視点と中医学的な視点の両方から行ないます。基本的な治療方針は
1.経絡(けいらく)の流れをよくする。
つまり障害を受けている神経・筋肉等に対して刺針し、
回復を
促すことです。
2.脳に対する血流量をよくする。
3.「肝腎陰虚(かんじんいんきょ)」
つまり人間が生きるために必要となる源を充実させることです。
となります。実際の治療は、発病から治療開始までの時間や症状の程度によって異なりますが、治療方針は同じです。
脳血管障害は、通
常発病から一ヶ月目までを急性期、その後を慢性期(後遺症期)と呼び、更に慢性期は一ヶ月目から三ヶ月目(六ヶ月目)までを回復期、それ以降を維持期と呼びます。鍼灸治療はなるべく早期から始める事がよく、回復期以前(発病から三ヶ月(六ヶ月)以内)に治療を開始するのが望ましいです。
治療頻度は、毎日もしくは隔日で回復と共に間隔を延ばしてゆきます。治療期間は、一概には言えませんが六ヶ月程度が基準と言えます。
発病から六ヶ月以上経っている場合は、早期から治療を開始する場合と比べると回復の程度は落ちるかもしれませんが、治療効果
は期待できます。この場合の治療に対する考え方は二種類あります。
1.機能回復を目指す。
2.現状を維持させる・悪化させない。
1.の場合は、まず週二・三回以上で、二・三ヶ月間治療してみる事をお勧めします。その後、状況を診て同じ治療方針で続けるのか、治療方針を変えるのか、治療を中断するのかなど考えるのが良いと思います。
2.の場合は週一回程度で継続的に治療する事をお勧めします。機能回復が望めないのなら治療の必要はないとおっしゃる方もいらっしゃいますが、手足などの関節は全く動かさないと炎症を起こしたりして痛みを生みやすくなります。痛むことで生活にも支障が出ますし、精神的にも不安定になりやすいようです。一日中痛めば誰だってたまりませんよね?ですから、発病から時間がかなり経過してしまっている場合でも目を見張るような治療効果
が期待できなくても、このような状況にならないように治療することには非常に価値があると言えます。
脳血管障害により現れる具体的な症状は、
1.半身不随(片麻痺)などの運動障害や感覚障害
2.仮性球麻痺:話し方や物を飲み込む際に障害が出るもの
3.認知症:知的機能に障害が出るもの
などがあります。
これから、それそれの症状に対する鍼灸治療をご紹介していきたいと思います。
|