47歳主婦のCさんは2年前子どもの大学受験でかなりのストレスを感じ、そのため夜寝つきが悪くなり、夜中に何度も目がさめて、体重も5kg減少。生理周紀も乱れがちになりました。最近では、のぼせ、多汗、顔が赤い、イライラ、肩こり、めまい、等の症状が毎日見られ、ふらふらして倒れそうになることもしばしばあり、半年前から生理もこなくなりました。病院では、「更年期障害」と診断され、精神安定剤を処方されましたが、1週間服用しても症状は改善されず、ホルモン療法を進められました。しかし、服作用が心配だったので、漢方治療を受診されました。
Cさんの状態は「腎陰」が不足したため体を潤わす作用が低下し、のぼせ、多汗、顔が赤い、めまい、などの症状が現れたもので、不眠気味であったためさらに「腎虚」を進行させた症状ということができます。実は、体の陰とは通
常夜睡眠をきちんととることによっても補うことが出来ると考えられているのです。ですから不眠症状が続くと体を潤す陰分が不足し、寒熱のバランスが崩れ、余った熱が症状となって出てきます。
弁証(中医学の診断)は、
「腎陰虚・肝火鬱結」(腎陰虚と肝鬱があり、体内の陰陽バランスが崩れ余分な熱がこもっている状態)と考えられます。治療法則は肝腎の陰分を滋養して熱を冷まし、全身の陰陽バランスを整え、血の巡りを改善することを目的に処方がなされました。
処方は「
杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)・加味逍遙散(かみしょうようさん)・桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)」を約3ヶ月の服用で症状もなくなりました。
更年期障害に対する漢方治療は、四十歳を過ぎてから積極的に補腎に努めることで症状を軽くすることが出来ると言う点が特筆できることだと考えています。

ですから、
普段の生活でも補腎作用のある食物を多く食生活に採り入れ、日常生活では、十分な睡眠、ストレスの発散、適度な運動を心がけるとよいでしょう。逆に体を冷やしたり(冷たいものの食べ過ぎ飲みすぎ、伊達の薄着)、夜更かしをしたり、辛い物を食べ過ぎたりしないよう注意しましょう。
食品では、
枸杞子、黒豆、黒胡麻などを多く取りましょう。また養生としての漢方では、
六味地黄丸(ろくみじおうがん)(冷えのある方は
八味地黄丸(はちみ
じおうがん))や
杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)などを用いると効果
的です。